高梁川の穿入蛇行

高梁川の穿入蛇行(せんにゅうだこう)
曲がりが先、谷が後。

 新見市を流れる高梁川には、山あいを流れているにもかかわらず、大きくゆるやかに曲がっている場所があります。
 このように、深い谷の中をヘビのように曲がりながら流れる地形を「穿入蛇行(せんにゅうだこう)」といいます。

 もともと川は、平らな土地を流れるとき、左右にゆったりと曲がりながら流れる性質があります。これが「蛇行」です。高梁川も、昔は今よりなだらかな地形の上を、ゆっくり蛇行しながら流れていたと考えられています。その後、この地域では長い時間をかけて地面が少しずつ持ち上がる「隆起」が起こりました。

 普通なら、地形が変わると川の流れも変わりそうですが、高梁川は流れる場所を大きく変えませんでした。同じ場所を流れ続けながら、水の力で地面を下へ下へと削り込み、「下方浸食」を続けていったのです。

 その結果、かつて平地で描いていた大きなカーブをそのまま残したまま、深い谷だけが刻まれていきました。

 つまり、高梁川の穿入蛇行は、
上から見ると、平地の川のように大きく曲がり、
横から見ると、山地を深くえぐった峡谷になっている
という、とても特徴的な地形なのです。

 井倉峡は、その穿入蛇行がよく分かる代表的な場所のひとつで、川が長い年月をかけて大地を削ってきた歴史を、景色そのものから感じ取ることができます。

(C)Google Earth
広石の断崖と高梁川

穿入蛇行を見てみよう!

 国道180号線を車で北上していくと、高梁市と新見市の境あたりから川の流れが大きく蛇行しはじめます。これを上から見ることができるスポットが、新見市草間のカルスト山荘展望台です。井倉洞入洞口がある高さ約240mの断崖絶壁の真上に位置するため、井倉の町並みや 鉄道が走る風景もジオラマ的に見ることができます。高所恐怖症でなくとも足がすくみますが、川が曲がったまま大地を削り続けた結果、その形ごと谷になった場所だということがよく理解できます。

※現在カルスト山荘は営業していませんが、展望台に行くことはできます。

展望台からの眺め
カルスト山荘展望台
井倉峡の垂直絶壁の真上にある

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